年中行事

■　祇園祭　（旧　六月十五、十六日）　■

　

●　長与祇園さんの由来

祇園さんの御神体である牛頭天王は三十番神の二十四番目の神様で薬師如来の化身と云われ、亦一説では弥勒菩薩の化身大黒福寿尊天ともいわれている。幸せな寿命五穀を授けて人類の幸せを司る神様であり、特に厄除けに強い神様と云われている。
（昔、印度の釈尊諸国遊説の折、印度舎衛国の須達多と云う信者が祇園精舎と竹林精舎を建立し、釈尊に寄贈、釈尊はここに牛頭天王を祭り子弟の指導育成と人類平和の為の伝導布教を為されたことによって祇園さんが始まったといわれております。）
長与の祇園さんは、寛永四年、今から三百七十年くらいまえ、大村藩主大村純信公が大村城の守護神として長与に法妙寺を建立併せて三十番神を併設してから始まったといわれます。
以来、長与郷土民の信仰を集め、ある時長与の里に疫病が蔓延し多数の患者死者を出し、郷土民は貧困と悪病のため途端の苦しみを味わったとき、これを見かね法妙寺の御上人、疫病退散を祈願し、牛頭大王の出動を仰ぎ長与の里をあまねく巡幸せしめし処、さすがの猛威を振るいし病魔も退散、患者発生も下火となり数ヵ月後には元の安楽な郷土に戻ったと云い伝えられております。
このように悪魔、疫病、悪病には特に強い神様であると云われております。

●　祇園さんをお寺にお祭りしている理由

日本の仏教に本地垂迹説と云う教えが唱えられている。
この説は日本の皇太神以下八百万諸天神はすべて印度の仏教の諸天神が生まれ変わって日本にお降りになり日本の神様になられたと云うことです。例えば大国主尊は印度の大黒天の生まれ変わりであり、又、印度の牛頭大王は日本に来てスサノオミコトになられたといわれています。
故に神社で祭る祇園さんもお寺で祭る牛頭大王も元々同じ神様であるから神社で祭ってもお寺で祭ってもかまわないということです。
明治初年、神仏混淆の禁止令がでたとき長与の祇園さんも神社に祭れという要請がありましたが、前述の通り大村城の守護神として大村公の命により法妙寺に併設された曰くづきのものであるから、そのままにしておく事にし、毎年旧六月十五日・十六日にお下がり、お上りの祭礼を続けてきておるものであります。
（長昌山法妙寺縁起史より）